火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第112号 令和元年11月5日16時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、火山活動が高まっており、火山性地震の発生回数と火山 ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加しています。新岳火口から概ね2kmの 範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒し てください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、10月18日及び27日に新岳火口直下を震源とする規 模の大きな火山性地震が発生しました。 その後、11月2日から火山性地震の発生回数が増加し、3日は20回と 多い状態となりました。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、3日以降増加し、多い状態となって います。 新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上がりました。 10月31日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸 化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり 、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 10月31日 1回 0回 200トン 11月 1日 1回 0回 - 2日 6回 0回 - 3日 20回 0回 500トン 4日 1回 0回 600トン 5日15時まで 0回 0回 調査中 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 GNSS連続観測によると、2018年7月頃から停滞していた島内の長 い基線にわずかな伸びの変化がみられます。 これらのことから、口永良部島では、火山活動が高まった状態になってい ますので、今後の火山活動の推移に留意してください。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、8日(金)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。