火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第108号 令和元年10月28日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地 区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒し てください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、昨日(27日)21時33分に新岳火口付近の浅いとこ ろを震源とする規模の大きな地震(山麓で体に感じない程度)が発生しまし た。18日にも規模の大きな地震(山麓で体に感じない程度)発生しており 、火山活動が高まった状態になっています。 本日(28日)から明日(29日)まで、気象庁機動調査班(JMA-M OT)を口永良部島に派遣し、現地調査を実施しています。本日の現地調査 では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり60トンでした。 25日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄 )の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、精査 の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 10月25日 4回 0回 - 26日 1回 0回 100トン 27日 5回 0回 100トン 28日15時まで 1回 0回 60トン 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 火山性地震の発生回数は、19日以降は少ない状態で経過していましたが 、27日はやや多い状態となりました。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、概ねやや多い状態で経過しています 。 本日、新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりま した。 GNSS連続観測では、島内の長い基線で2016年1月頃から続いてい た緩やかな縮みの傾向が、2018年7月頃から停滞しています。 口永良部島では、規模の大きな地震が時々発生するなど、火山活動が高ま っていることから、今後、新岳火口から概ね2kmの範囲及び向江浜地区か ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲に影響を及ぼす噴火が発生 する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(火)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。