火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第100号 令和元年10月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 10月15日から18日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし ます。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、火山性地震は少ない状態で経過していましたが、本日( 18日)02時から08時にかけて、新岳の西側山麓のやや深い場所が震源 と推定される火山性地震が8回発生するなど、火山性地震が多い状態となっ ています。新岳の西側山麓のやや深い場所で火山性地震が発生したのは20 18年8月15日以来です。 口永良部島では、2015年5月や2019年1月に発生した噴火の数ヶ 月前に同様の地震が発生していますが、今回の火山性地震はそれらと比較し て振幅は小さく、発生回数も少ない状況です。 新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がりました。 15日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄 )の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、精査 の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 10月15日 3回 0回 20トン 16日 1回 0回 - 17日 1回 0回 - 18日15時まで 15回 0回 - 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 GNSS連続観測では、島内の長い基線で2016年1月頃から続いてい た緩やかな縮みの傾向が、2018年7月頃から停滞しています。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、少ない状態で経過しています。 地震活動以外に特段の変化は認められませんが、今後の火山活動の変化に 留意してください。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2 kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。