火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第80号
令和元年9月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 9月13日から9月17日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、昨日(16日)07時46分に南岳山頂火口で噴火が発生し、
噴煙が火口縁上2800mまで上がりました。08時30分にも小規模な噴
火が発生し、11時10分まで継続しました。これら一連の噴火で、9日か
らの山体の膨張と考えられる地殻変動は概ね解消されています。
 
 また、本日(17日)09時27分に爆発が発生しました。噴煙は火口縁
上1000mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目
(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達しました。その後も噴
火が2回発生し、噴煙は最高で火口縁上1600mまで上がりました。
 
 南岳山頂火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を時々観測しました
。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生
しました。
 
 9月13日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  9月13日        6回    0回   0回
    14日        2回    0回   0回
    15日        7回    0回   0回
    16日        5回    2回   0回
    17日15時まで   2回    0回   1回
 
 GNSS連続観測では、2019年2月以降、桜島島内の観測データに特
段の変化は認められず、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を
示す基線の伸びも2019年2月頃から停滞しています。しかし、それ以前
の長期にわたる伸びは解消されていないことから、姶良カルデラの地下深部
では、依然マグマが蓄積した状態が継続していると考えられます。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。