火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第21号
平成31年3月15日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月11日から3月15日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が13回発生し、このうち4回が爆発でした。弾
道を描いて飛散する大きな噴石は、最大で5合目(南岳山頂火口より100
0mから1300m)まで達しました。14日23時23分の爆発では、噴
煙が火口縁上3500mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が6
合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達しました。また同
火口では、高感度の監視カメラで火映を時々観測しました。
 
 11日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1900トン(前回2月1日、3000トン)とやや多い状態でした
。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動が時々発生しまし
た。
 
 3月11日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動    爆発
  3月11日       12回    2回    0回
    12日       13回    2回    0回
    13日       14回    5回    1回
    14日       15回    1回    2回
    15日15時まで  10回    4回    1回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは、わずかながら継続しています。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。