火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第22号
平成31年2月13日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、今後も噴火の可能性がありますので、新岳火口から概ね
2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流
に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、2月3日以降、噴火は観測されていません。12日から本
日(13日)15時までの期間、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで
上がりました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ねやや多い状態で経過しています。
 
 火山性地震は、8日以降増加し、概ねやや多い状態で経過しています。火
山性微動は観測されていません。
 
 2月7日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫
黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、精
査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動 火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  2月 7日        4回    0回  200トン
     8日        5回    0回  200トン
     9日        5回    0回  500トン
    10日        7回    0回  200トン
    11日       12回    0回   -
    12日        6回    0回  200トン
    13日15時まで   8回    0回   -
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 GNSS連続観測では、島内の長い基線の変化は停滞しているとみられま
す。
 
 新岳火口では、昨年(2018年)10月以降噴火を繰り返しており、火
山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ねやや多い状態で経過していることから
、今後も噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。