火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第4号
平成31年1月9日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、今後も噴火の可能性がありますので、新岳火口から概ね
2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流
に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、3日以降、噴火は発生していませんが、火山性地震は概ね
多い状態で経過しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ねやや多い
状態で経過していることから、今後も噴火が発生する可能性があります。
 
 7日から本日(9日)にかけて実施した現地調査では、新岳火口周辺の熱
異常域に特段の変化は認められませんでした。
 
 7日から本日15時にかけて、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで
上がりました。
 
 GNSS連続観測では、島内の長い基線で緩やかな伸びがみられていまし
たが、2018年11月以降、鈍化もしくは停滞したと考えられます。
 
 1月3日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院理学
系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山ガス
(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値
であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動 火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  1月 3日        4回    0回  200トン
     4日        2回    0回    -
     5日       12回    0回  100トン
     6日        9回    0回  200トン
     7日       13回    0回  100トン
     8日       24回    0回  200トン
     9日15時まで   7回    0回   80トン
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測
値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。