火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第141号 平成30年12月26日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、引き続き噴火の可能性がありますので、新岳火口から概 ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕 流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新岳火口では、21日以降、噴火は発生していません。 火山性地震は20日と21日に増加し、火山性微動は21日と23日に発 生するなど、不安定な状態がみられています。また、火山ガス(二酸化硫黄 )の放出量はやや多い状態で経過しており、引き続き噴火が発生する可能性 があります。 25日から本日(26日)15時にかけて、白色の噴煙が最高で火口縁上 500mまで上がりました。 GNSS連続観測では、島内の長い基線では緩やかな伸びがみられていま したが、11月以降、鈍化もしくは停滞したと考えられます。 12月20日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院 理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山 ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速 報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 12月20日 23回 0回 200トン 21日 24回 3回 - 22日 12回 0回 300トン 23日 4回 1回 400トン 24日 6回 0回 200トン 25日 10回 0回 100トン 26日15時まで 8回 0回 300トン 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測 値が得られなかった日は「-」としています。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。