火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第102号 平成30年12月21日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 12月17日から12月21日15時までの桜島の活動状況をお知らせし ます。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や 小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、噴火が30回発生し、このうち21回が爆発的噴火で した。噴煙が最高で火口縁上2200mまで上がり、弾道を描いて飛散する 大きな噴石が最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)ま で達しました。また、同火口では高感度の監視カメラで火映を時々観測しま した。 火山性地震は少ない状態で経過しています。また、噴火に伴う火山性微動 が時々発生しました。 12月17日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下の とおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することが あります。 火山性地震 火山性微動 爆発的噴火 12月17日 14回 33回 1回 18日 17回 23回 1回 19日 41回 5回 7回 20日 47回 4回 7回 21日15時まで 19回 3回 5回 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張 を示す基線の伸びは2018年3月頃から停滞していますが、長期にわたり 供給されたマグマが蓄積した状態です。 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るため注意してください。 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流 が発生する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(火)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。