火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第121号 平成30年11月12日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島の新岳火口では、噴火が続いています。新岳火口から概ね2k mの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警 戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新岳火口では、10月21日から噴火が断続的に発生しています。9日以 降の噴煙の高さは、最高で火口縁上1000mでした。 また、6日以降、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しています。 火山性地震や火山性微動は、一連の噴火に伴って発生しています。これら の震源は、新岳火口付近のごく浅い場所と推定されます。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ね多い状態で経過しています。 GNSS連続観測では、島内における長い基線において、2018年7月 頃に縮みの傾向から停滞へと変化し、現在は緩やかな伸びに変化したとみら れます。 11月6日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院理 学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山ガ ス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報 値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 11月 6日 47回 3回 1000トン 7日 20回 0回 - 8日 20回 2回 600トン 9日 27回 11回 400トン 10日 36回 6回 900トン 11日 9回 3回 - 12日15時まで 22回 15回 - 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測 値が得られなかった日は「-」としています。 口永良部島では、引き続き火山活動が高まった状態となっていますので、 新岳火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、14日(水)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。