火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第88号
平成30年11月5日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 11月2日から11月5日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。桜島では、噴火活動は低調に経過していますが、再び活発化するおそれが
あります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、噴火が2回発生し、このうち1回が爆発的噴火でした
。噴煙が最高で火口縁上2600mまで上がり、弾道を描いて飛散する大き
な噴石が最大で8合目(南岳山頂火口より500mから700m)まで達し
ました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。継続時間の短い火山性微動が
時々発生しました。
 
 11月2日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
 11月 2日       16回    2回    0回
     3日       19回    0回    1回
     4日       10回    0回    0回
     5日15時まで   2回    0回    0回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは2018年3月頃から停滞していますが、長期にわたり
供給されたマグマが蓄積した状態です。
 
 桜島では、噴火が時々発生する程度で推移していますが、再び活発化する
おそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。