火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第101号 平成30年10月19日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 10月15日から10月19日15時までの口永良部島の活動状況をお知 らせします。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上600mまで上がりました。 火山性地震は概ね多い状態で経過しています。火山性地震の震源は、主に 新岳火口付近のごく浅い所でした。火山性微動は観測されていません。 19日未明に、新岳火口近くに設置した古岳北カメラで火映を観測しまし た。火映を観測したのは、2015年5月28日以来ですが、今回の火映は 当時と比較して非常に微弱でした。 17日から19日にかけて実施した現地調査では、噴煙や熱異常域の状況 に特段の変化は認められませんでした。 16日から18日にかけて東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研 究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の 放出量は、1日あたり600トン(前回10月13日、1200トン)と多 い状態でした。 10月15日からの火山性地震の回数及び火山ガス(二酸化硫黄)の1日 あたりの放出量は以下のとおりです。なお、地震回数及び火山ガス(二酸化 硫黄)の放出量は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります 。 火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄) 10月15日 2回 ー 16日 10回 600トン 17日 13回 600トン 18日 4回 600トン 19日15時まで 14回 調査中 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測 値が得られなかった日は「ー」としています。 口永良部島では、8月以降、新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする火 山性地震が増減を繰り返し、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加するな ど、火山活動が高まった状態となっていますので、新岳火口から概ね2km の範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。