火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第79号 平成30年10月5日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 10月1日から10月5日15時までの桜島の活動状況をお知らせします 。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規 模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。 1日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ たり400トン(前回9月19日、2200トン)と減少しましたが、4日 には、3400トンと増加し非常に多い状態となりました。 火山性地震は少ない状況で経過しています。火山性微動は時々発生してい ます。 10月1日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ ります。 火山性地震 火山性微動 爆発的噴火 10月 1日 2回 0回 0回 2日 0回 3回 0回 3日 2回 17回 0回 4日 1回 16回 0回 5日15時まで 11回 22回 0回 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張 を示す基線の伸びは2018年3月頃から停滞しているものの、長期的に地 下深部へのマグマの供給は継続していると考えられます。 桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられ ます。 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るため注意してください。 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流 が発生する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(火)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。