火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第84号 平成30年9月28日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 9月25日から9月28日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま す。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山の南側の火孔では、噴煙が100mまで上がるなど活発な噴気活動 が続いています。硫黄山南監視カメラで、引き続き硫黄山の南側の湯だまり を確認しています。 27日に実施した現地調査では、硫黄山の南側の火孔での活発な噴気活動 が続いていること、及び少量の土砂が噴出していることを確認しました。ま た、硫黄山周辺の噴気活動が続いていることを確認しました。熱異常域に特 段の変化はありませんでした。 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、6月上旬から伸びの傾向が 続いています。また、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられ る基線の伸びは継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可能性 もあります。 硫黄山付近の火山性地震は概ね少ない状態で経過しましたが、硫黄山周辺 で火山性地震が時々発生しています。浅い所を震源とする低周波地震は引き 続き発生しています。火山性微動は観測されていません。 9月25日からの硫黄山付近の火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火 山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結 果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 9月25日 9回 ( 7回) 0回 26日 11回 ( 7回) 0回 27日 6回 ( 1回) 0回 28日15時まで 5回 ( 5回) 0回 ()内はごく微小な地震 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しており、ごく小規模な 噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、10月1日(月)16時頃に発表の 予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。