火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第116号 平成30年9月4日16時05分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 新燃岳では、本日(4日)、傾斜変動を伴う火山性微動が発生しました。 火山活動がやや高まった状態が続いてます。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震が増減を繰り返しており、 昨日(3日)は振幅の大きな低周波地震が発生しました。また、本日(4日 )09時頃から地震回数が増加し、12時51分頃には火山性微動が発生し ました。微動の継続時間は約16分間で、これに伴う空振は観測されません でした。 この火山性微動の発生に伴い、高千穂河原観測点の傾斜計では、新燃岳の 火口方向が沈降する変動が認められました。 監視カメラでは、噴煙などの状況は天候不良のため不明です。 気象台が実施した聞き取り調査の結果では、降灰は確認されませんでした が、新燃岳の東側で火山ガスの臭気が確認されました。このことから、噴火 の発生の有無は不明ですが、火山ガスの放出量が一時的に増加したと考えら れます。 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が続いており、小規模な噴火が 発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体 等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり ますので留意してください。 火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。