火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第86号
平成30年9月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月31日から9月3日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし
ます。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震は8月22日以降、概ね少ない状態で経過し
ています。

 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上800mまで上がりました。

 8月31日からの火山性地震の回数及び火山ガス(二酸化硫黄)の1日あ
たりの放出量は以下のとおりです。火山性地震は、いずれも新岳火口付近の
ごく浅い場所を震源とするもので、新岳の西側山麓のやや深い場所を震源と
する地震は観測されていません。なお、地震回数及び火山ガス(二酸化硫黄
)の放出量は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄)
 8月31日         6回       -
 9月 1日         2回       -
    2日         3回       -
    3日15時まで    2回       -

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪くデータが
求められなかった日は「-」としています。

 口永良部島では、8月に入ってから、新岳火口付近のごく浅い場所を震源
とする火山性地震が増減を繰り返し、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増
加するなど、火山活動が高まった状態となっていますので、新岳火口から概
ね2kmに影響を及ぼす噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(水)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。