火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第82号 平成30年8月27日16時20分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続> 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする火山性地震が 増減を繰り返していた中で、8月15日に新岳の西側山麓のやや深い場所を 震源とする地震が36回発生しました。 本日(27日)、新岳火口では白色の噴煙が火口縁上400mまで上がり ました。 本日、鹿児島県の協力により実施した上空からの観測では、新岳火口の西 側の形状等には特段の変化は認められませんでした。また、新岳火口付近よ り青白色の火山ガスが流れ出ていることが確認でき、火山ガスによる臭気も 認められました。 昨日(26日)、山麓から実施した現地調査では、前回(25日)と比べ 、噴煙や熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした。 8月以降、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加しています。本日の火 山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり700トンで、多い状態でし た。 8月21日からの火山性地震の回数及び火山ガス(二酸化硫黄)の1日あ たりの放出量は以下のとおりです。火山性地震は、いずれも新岳火口付近の ごく浅い場所を震源とするもので、新岳の西側山麓のやや深い場所を震源と する地震は観測されていません。なお、地震回数は速報値であり、精査の結 果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄) 8月21日 9回 実施なし 22日 3回 400トン 23日 2回 700トン 24日 1回 実施なし 25日 0回 500トン 26日 0回 800トン 27日15時まで 0回 700トン 15日に発生した火山性地震の震源は、2015年5月の噴火前(201 5年1月)に発生した地震と概ね同じ場所であると推定され、今後、火砕流 を伴う噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(火)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。