火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第78号 平成30年8月23日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続> 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする火山性地震が 増減を繰り返していた中で、8月15日に新岳の西側山麓のやや深い場所を 震源とする地震が36回発生しました。 火山性地震は16日以降、2回以下で推移していましたが、21日は9回 発生しました。昨日(22日)は3回、本日(23日)15時までは2回発 生しています。いずれも新岳火口付近のごく浅い場所を震源とするものです 。 本日、新岳火口では白色の噴煙が火口縁上700mまで上がりました。 本日、山麓から実施した現地調査では、前回(20日)と比べ、噴煙及び 熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした。 8月以降、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加しています。本日の火 山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり700トン(前回19日、4 00トン)で、多い状態でした。 15日に発生した火山性地震の震源は、2015年5月の噴火前(201 5年1月)に発生した地震と概ね同じ場所であると推定され、今後、火砕流 を伴う噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、24日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。