火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第70号
平成30年8月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続>
 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、これまで主に新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする
火山性地震が増減を繰り返しており、8月に入って、火山ガスの放出量が増
加しました。15日には新岳の西側山麓のやや深い場所を震源とする地震が
増加しました。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測では、11日及び13
日は1日あたりそれぞれ1600トンと1000トンに増加しています。1
2日及び14日から本日(16日)は観測条件が整わず火山ガス放出量は不
明です。

 8月9日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、地震回数は
速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震
 8月 9日         8回 ( 0回)
   10日        37回 ( 0回)
   11日         2回 ( 0回)
   12日         4回 ( 0回)
   13日         6回 ( 0回)
   14日         3回 ( 1回)
   15日        37回 (36回)
   16日15時まで    1回 ( 0回)
       ()内は新岳の西側山麓のやや深い場所で発生した地震回数

 15日の火山性地震の震源は、2015年5月の噴火前(2015年1月
)に発生した地震と概ね同じ場所であると推定され、今後、火山活動が更に
高まる可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、17日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。