火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第68号
平成30年8月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月30日から8月3日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山性地震は概ねやや多い状態で経過しています。浅い所を震源とする低
周波地震は引き続き発生しています。火山性微動は観測されていません。

 硫黄山の南側の火孔では、白色の噴煙が最高で200mまで上がるなど活
発な噴気活動が続いています。また、硫黄山南監視カメラで、引き続き硫黄
山の南側の湯だまりを確認しました。

 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、6月上旬から伸びの傾向が
続いています。霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線
の伸びは、現在も緩やかに継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発
化の可能性もあります。

 7月30日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。

           火山性地震       火山性微動
  7月30日      24回 (13回)    0回
    31日      15回 ( 7回)    0回
  8月 1日      33回 (13回)    0回
     2日      20回 (11回)    0回
     3日15時まで 21回 (15回)    0回
                 ()内はごく微小な地震

 硫黄山では、火山活動がやや高まっており、ごく小規模な噴火の可能性が
あります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。