火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第57号
平成30年7月23日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月20日から7月23日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上500mまで上がりました。

 21日に、振幅が小さく継続時間の短い火山性微動が1回発生しました。
火山性地震は、概ねやや多い状態で経過しています。

 7月20日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数は速
報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   7月20日       7回
     21日       8回
     22日       3回
     23日15時まで 11回

 7月9日から20日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所
、屋久島及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は、1日あたり100から400トン(前回6月27日、70トン)でした
。

 地殻変動観測では、火山活動によると考えられる特段の変化は認められま
せん。

 火山性地震は、中長期的には多い状態で経過しており、火山ガス(二酸化
硫黄)の放出量も2014年8月の噴火前の水準には低下しておらず、火山
活動がやや高まった状態となっています。引き続き小規模な噴火の可能性が
あります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけではなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。