火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第100号
平成30年7月20日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月17日から7月20日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 白色の噴煙が火口縁上100mまで上がりました。
 
 19日に韓国岳から実施した現地調査では、前回(5月15日)の観測に
引き続き火口を覆う溶岩の中心部及び縁辺部の一部で白色の噴煙が上がって
いるのを確認し、中心部や東側で温度の高い領域が認められました。
 
 火山性地震は、多い状態で経過しています。20日に振幅が小さく継続時
間の短い火山性微動が発生しました。
 
 7月17日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
  7月17日       20回    0回
    18日       36回    0回
    19日       47回    0回
    20日15時まで  30回    1回
 
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考え
られる基線の伸びは、一部の基線で鈍化しているものの継続しており、火山
活動の長期化やさらなる活発化の可能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。