火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第63号
平成30年7月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月13日から7月17日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山の南側の火孔では、白色の噴煙が最高で400mまで上がるなど活
発な噴気活動が続いています。また、硫黄山南監視カメラで、引き続き硫黄
山の南側の湯だまりを確認しました。
 
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、4月19日の噴火後に山体
の収縮を示していましたが、6月上旬から再び伸びの傾向がみられます。霧
島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは、一部の
基線で鈍化しているものの継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発
化の可能性もあります。

 火山性地震は、概ねやや多い状態で経過しています。また、浅い所を震源
とする低周波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません
。

 7月13日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。
 
           火山性地震       火山性微動
  7月13日      30回 (12回)    0回
    14日      22回 (10回)    0回
    15日      27回 (15回)    0回
    16日      25回 (13回)    0回
    17日15時まで 31回 (22回)    0回
                 ()内はごく微小な地震
 
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しており、ごく小規模な
噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。