火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第56号
平成30年7月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月13日から7月17日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が2回発生し、このうち1回が爆発的噴火でした
。昨日(16日)15時38分の爆発的噴火では、噴煙は火口縁上4600
mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目(南岳山頂
火口より1300mから1700m)まで達しました。南岳山頂火口の噴火
で、大きな噴石が4合目まで飛散したのは、2012年7月24日以来です
。
 また、同火口では昨日から本日(17日)にかけて高感度の監視カメラで
火映を観測しました。
  
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
 
 火山性地震は、少ない状態で経過しました。火山性微動は時々発生してい
ます。
 
 7月13日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
  7月13日       11回    8回    0回
    14日        4回    1回    0回
    15日        5回    6回    0回
    16日       11回    4回    1回
    17日15時まで   2回    0回    0回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは2018年3月頃から鈍化しているものの、地下深部へ
のマグマの供給は継続していると考えられます。
 
 桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられ
ます。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。