火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第58号 平成30年6月29日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 6月25日から6月29日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま す。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。 硫黄山の南側の火孔からは、噴煙が最高で100mまで上がるなど、活発 な噴気活動が続いています。硫黄山南監視カメラで、引き続き硫黄山の南側 の湯だまりを確認しました。 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、4月19日の噴火後に山体 の収縮を示す変動がみられていましたが、6月上旬から再び伸びの傾向がみ られます。霧島山を挟む基線では、3月中旬以降、霧島山の深い場所でのマ グマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていますが、5月上旬か ら一部の基線でその伸びは鈍化しています。 火山性地震は、やや多い状態で経過しています。浅い所を震源とする低周 波地震が時々発生しました。火山性微動は観測されていません。 6月25日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回 数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更 することがあります。 火山性地震 火山性微動 6月25日 12回 ( 7回) 0回 26日 14回 ( 8回) 0回 27日 14回 (13回) 0回 28日 14回 ( 6回) 0回 29日15時まで 12回 ( 8回) 0回 ()内はごく微小な地震 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、7月2日(月)16時頃に発表の予 定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。