火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第51号
平成30年6月29日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月25日から6月29日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、29日にごく小規模な噴火が発生しました。
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
   
 28日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1700トン(前回6月12日、2600トン)とやや多い状態でし
た。

 火山性地震は、少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていま
せん。
 
 6月25日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
  6月25日        1回    0回    0回
    26日        9回    0回    0回
    27日        8回    0回    0回
    28日        7回    0回    0回
    29日15時まで   2回    0回    0回
      
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは2018年3月頃から鈍化しているものの、地下深部へ
のマグマの供給は継続していると考えられます。

 桜島では、南岳山頂火口を中心に、引き続き噴火活動が継続すると考えら
れます。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7月2日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。