火山名 十勝岳 火山の状況に関する解説情報(臨時) 第14号 平成30年6月29日16時00分 札幌管区気象台 **(見出し)** <噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続> 十勝岳では、一時的な火山性地震の増加や継続時間の短い火山性微動が観 測されています。今後の火山情報に注意してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 28日に継続時間の短い火山性微動が1回観測されました。火山性微動発 生前後で火山性地震の増加はありませんでした。 十勝岳では、5月29日以降、一時的な火山性地震の増加や継続時間の短 い火山性微動が観測されています。火山性地震や火山性微動は、62-2火 口付近の浅い所で発生していると考えられます。 最近一週間の火山性地震、火山性微動の発生状況は、次のとおりです。な お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 6月23日から24日 火山性地震 6回 火山性微動 1回 6月25日 火山性地震 1回 火山性微動 1回 6月26日 火山性地震 1回 火山性微動 0回 6月27日 火山性地震 4回 火山性微動 0回 6月28日 火山性地震 0回 火山性微動 1回 6月29日15時まで 火山性地震 2回 火山性微動 0回 監視カメラによる観測では、62-2火口や振子沢噴気孔群では2015 年以降、噴煙高のやや高い状態が続いています。 GNSS連続観測では、2006年以降、62-2火口直下浅部の膨脹を 示すと考えられる変動が観測されています。 十勝岳では火山活動の活発化を示唆する現象が観測されていますので、今 後の火山情報に注意してください。 2.防災上の警戒事項等 十勝岳では、2006年以降の山体浅部の膨脹が継続する中で、噴煙高の 高い状態、地熱域の拡大や温度上昇、地震の一時的な増加など、火山活動の 活発化を示唆する現象が観測されていますので、今後の火山活動の推移に注 意が必要です。 登山者などは地元自治体などの指示に従って火口付近など危険な地域には 立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、7月2日(月)16時頃に発表の予 定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。