火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第55号
平成30年6月20日18時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 本日(20日)、第141回火山噴火予知連絡会が開催され、霧島山(え
びの高原(硫黄山)周辺)の火山活動について検討を行い、結果を以下のと
おり取りまとめました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の火山活動に関する検討結果
 
 えびの高原(硫黄山)周辺では、4月19日に硫黄山でごく小規模な噴火
が発生し、噴火地点の周辺100m程度まで大きな噴石が飛散しました。地
殻変動観測では、3月頃から観測されていた硫黄山付近の地盤の膨張は、4
月19日の噴火以降、収縮に転じたことが観測されました。また、4月26
日には硫黄山の西側500m付近で火山灰が混じる高さ200m余の噴煙が
約10分間上がりました。

 えびの高原(硫黄山)周辺では、4月の噴火後は地震活動、地殻変動及び
噴気活動などの観測データに火山活動の低下傾向がみられていますが、再び
活発化を示す変化が認められた場合には、噴火が発生する可能性があります
。

 また、広域のGNSS連続観測では、3月の新燃岳の溶岩噴出時期の収縮
後、再び膨張傾向を示す変化がみられており、深部のマグマの蓄積を反映し
ていると推定されます。霧島山の火山活動の長期化や活動のさらなる活発化
も視野に入れて、引き続き慎重に火山活動の変化を監視する必要があります
。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。