火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第43号
平成30年6月4日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月1日から6月4日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。昭
和火口及び南岳山頂火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が3回発生し、このうち1回が爆発的噴火でした
。噴煙は最高で火口縁上1700mまで上がり、弾道を描いて飛散する大き
な噴石は最大で9合目(南岳山頂火口より300から500m)まで達しま
した。また、同火口では期間を通して、夜間に高感度の監視カメラで火映を
観測しました。
 
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
 
 1日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり2700トン(前回5月25日、2400トン)と多い状態でした。ま
た、2日には鹿児島地方気象台でかすかに感じる程度の臭気が認められまし
た。
 
 1日に実施した赤外熱映像装置による観測では、昭和火口近傍及び南岳南
東山腹で、これまでと同様に熱異常域が観測されましたが、前回(2017
年10月25日)と比べて特段の変化は認められませんでした。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しました。また、噴火に伴う火山性微動が
断続的に発生しました。
 
 6月1日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
  6月 1日        7回    7回    0回
     2日       10回   18回    1回
     3日       14回   26回    0回
     4日15時まで   2回    2回    0回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続していま
す。桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えら
れます。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、8日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。