火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第29号
平成30年4月20日08時25分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 19日15時39分頃に硫黄山で噴火が発生し、本日(20日)06時3
0分頃まで継続しました。その後も活発な噴気活動が続いています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 19日15時39分頃に硫黄山で噴火が発生し、噴煙は最高で500mま
で上がりました。同日に鹿児島県の協力により実施した上空からの観測及び
監視カメラによる観測では、新たな火孔が硫黄山の南側に形成されているこ
とを確認しました。また、監視カメラによる観測では、21時頃まで火孔周
辺で噴気域の拡大が認められました。火山灰の噴出は、本日(20日)06
時30分頃まで継続しましたが、その後も活発な噴気活動が続いています。

 傾斜計では噴火に伴う傾斜変動を観測し、その後ゆるやかな変動が続いて
います。
 
 硫黄山近傍に設置している地震計では、19日の噴火以降、活発な噴気活
動により振幅の大きい状態が続いています。

 4月16日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、噴気に伴う振動が大きいため、振幅の小さな
火山性地震は計数できなくなっています。回数は速報値であり、精査の結果
、後日変更することがあります。
 
           火山性地震 ()内はごく微小な地震 火山性微動
4月16日        44回 (27回)          0回
  17日       104回 (70回)          0回
  18日        51回 (42回)          0回
  19日        33回 (15回)          1回
  20日07時まで    0回  (0回)          1回
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから
、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
  えびの高原の硫黄山から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降
るため注意してください。

 火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。