火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第27号 平成30年4月16日16時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 4月13日から4月16日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま す。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。 硫黄山近傍に設置している「霧島硫黄山2」の地震計の震動の振幅は、1 4日頃からやや大きな状態で経過しています。この振幅の増大は、噴気活動 や熱水の流出に伴うものと考えられます。 本日(16日)、えびの高原から実施した現地調査では、硫黄山西側の噴 気地帯の活動に特段の変化は認められませんでした。 地殻変動観測では、3月中旬頃から硫黄山付近が隆起する変動がみられて います。 噴気は、最高で稜線上100mまで上がりました。 火山性地震は、概ねやや多い状態が継続しています。浅い所を震源とする 低周波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。 4月13日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)の回数は以下のと おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ ります。 火山性地震 ( )内はごく微小な地震 4月13日 8回 ( 7回) 14日 12回 ( 8回) 15日 21回 (14回) 16日15時まで 27回 (15回) GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激 な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから 、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を 受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。