火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第25号
平成30年4月9日17時40分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 4月6日から4月9日17時までの硫黄山の活動状況及び現地調査の結果
をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 
 7日00時30分頃から10時頃にかけて、硫黄山近傍に設置している「
硫黄山2」の地震計で振幅が増大しました。その後、振幅は消長を繰り返し
ながら、6日以前より大きい状態が継続しています。
 
 本日(9日)韓国岳から実施した現地調査では、硫黄山の南西側(「硫黄
山2」付近)で小さな湯だまりを確認しました。また、この湯だまりから灰
色の熱水が流出していることを確認しました。
 「硫黄山2」の地震計の振幅の増大は、噴気活動や熱水の流出に伴うもの
と考えられます。
 
 硫黄山南西観測点の傾斜計では、3月16日頃から硫黄山方向がわずかに
隆起する傾斜変動がみられています。
 
 火山性地震は、概ね多い状態が継続しています。浅い所を震源とする低周
波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
  
 4月6日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
             火山性地震 ( )内はごく微小な地震
  4月 6日        28回 (16回)
     7日        12回 ( 7回)
     8日        28回 (16回)
     9日17時まで   13回 (11回)
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから
、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、13日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。