火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第24号 平成30年4月7日16時20分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 硫黄山では、本日(7日)未明から昼前にかけて、硫黄山近傍の地震計で 噴気によるものと考えられる震動の振幅が増大しました。 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。 本日(7日)00時30分頃から10時頃にかけて、硫黄山近傍に設置し ている「硫黄山2」観測点の地震計で震動の振幅が増大しました。この振幅 の増大は、「硫黄山2」観測点近傍の噴気活動の活発化によるものと考えら れます。その後、振幅は消長を繰り返しています。 本日10時に、えびの高原から実施した現地調査では、硫黄山周辺のこれ までにみられていた噴気地帯の活動に特段の変化は見られませんでした。 硫黄山南西観測点の傾斜計では、3月16日頃から硫黄山方向がわずかに 隆起する傾斜変動が続いています。本日の地震計の振幅増大に対応する傾斜 変動はみられていません。 本日は、噴気が稜線上40mまで上がりました。 火山性地震は、概ね多い状態が継続しています。浅い所を震源とする低周 波地震が時々発生しています。 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激 な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから 、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を 受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。 火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。