火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第22号
平成30年4月6日16時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 4月2日から4月6日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 硫黄山南西観測点の傾斜計では、3月16日頃から硫黄山方向がわずかに
隆起する傾斜変動がみられています。
 
 2日に実施した現地調査では、硫黄山周辺の噴気域でこれまでと同様に熱
異常域を確認しましたが、前回(3月28日)と比べて噴気や熱異常域の状
況に特段の変化は認められませんでした。
 
 噴気は稜線上300mまで上がりました。
 
 火山性地震は、概ね多い状態が継続しています。浅い所を震源とする低周
波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
  
 4月2日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
             火山性地震 ( )内はごく微小な地震
  4月 2日        79回 (60回)
     3日        47回 (40回)
     4日        45回 (34回)
     5日        41回 (25回)
     6日15時まで   13回 ( 8回)
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び基線の伸びが継続しています。この
ことから、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積している可能性があります
。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。