火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第21号 平成30年4月2日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 3月30日から4月2日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします 。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。 硫黄山南西観測点の傾斜計では、3月16日頃から硫黄山方向がわずかに 隆起する傾斜変動がみられています。 本日(4月2日)に実施した現地調査では、硫黄山周辺の噴気域でこれま でと同様に熱異常域を確認しましたが、前回(3月28日)と比べて特段の 変化は認められませんでした。 噴気は稜線上300mまで上がりました。 火山性地震は、やや多い状態が続いており、本日に入り増加しています。 浅い所を震源とする低周波地震が時々発生しています。火山性微動は観測さ れていません。 3月30日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)の回数は以下のと おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ ります。 火山性地震 ( )内はごく微小な地震 3月30日 17回 (13回) 31日 7回 ( 5回) 4月 1日 13回 ( 7回) 2日15時まで 52回 (40回) GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び が継続していましたが、新燃岳の2018年3月6日の噴火に伴い、3月6 日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激な収縮が観測されました。その 後、再び基線の伸びが継続しています。このことから、霧島山の深い場所で 再びマグマが蓄積している可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を 受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。