火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第20号
平成30年3月30日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 3月26日から3月30日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 硫黄山南西観測点の傾斜計では、16日頃から硫黄山方向がわずかに隆起
する傾斜変動がみられています。
 
 28日に実施した現地調査では、硫黄山周辺の噴気域でこれまでと同様に
熱異常域を確認しましたが、前回(2月26日)と比べて特段の変化は認め
られませんでした。
 
 噴気は稜線上100mまで上がりました。
 
 火山性地震は、やや多い状態が続いています。浅い所を震源とする低周波
地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
  
 3月26日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
             火山性地震 ( )内はごく微小な地震
  3月26日        11回 ( 4回)
    27日        13回 ( 7回)
    28日        20回 (16回)
    29日        15回 (12回)
    30日15時まで   12回 ( 4回)
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、新燃岳の2018年3月6日の噴火に伴い、3月6
日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激な収縮が観測されました。その
後、再び基線の伸びが継続しています。このことから、霧島山の深い場所で
再びマグマが蓄積している可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4月2日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。