火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第25号
平成30年3月30日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月26日から3月30日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、噴煙は白色で火口縁上700mまで上がりました。
 火山性地震は、概ね多い状態で経過しています。また2月以降、低周波地
震が増加しています。火山性微動は観測されていません。
 3月26日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数は速
報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   3月26日      11回
     27日       4回
     28日      12回
     29日       9回
     30日15時まで 16回
  
 26日、29日及び30日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災
研究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)
の放出量は、1日あたり100から200トン(前回24日200トン)と
、2018年1月以降わずかに減少しています。

 27日から29日にかけて実施した現地調査では、前回(14日から16
日)と比べて噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした
。

 地殻変動観測では、火山活動によると考えられる特段の変化は認められま
せん。

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、2
017年10月以降火山性地震の活発化がみられること、噴煙量や火山ガス
(二酸化硫黄)の放出量は、2014年8月の噴火前よりも多い状態で経過
していることから、引き続き噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4月2日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。