火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第44号
平成30年3月19日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、噴火活動が続いています。新燃岳火口から概ね3kmの範囲
では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石、及び新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、16日に噴火が1回発生しましたが、天候不良のため噴煙な
どの状況は不明でした。
 
 溶岩の噴出は9日頃には概ね停止したとみられています。17日10時頃
に霧島市牧園町から実施した観測では、北西側斜面に流下した溶岩は、15
日10時頃に比べて、約11m流下しました。なお、観測を開始した9日1
8時頃に比べて、約53m流下しました。
 18日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり600トン(前回15日、600トン)でした。

 高千穂河原観測点の傾斜計では、噴火に伴い山体がわずかに隆起沈降する
変動が観測されています。
 
 火山性地震は概ね多い状態が続いています。浅い所を震源とする低周波地
震は時々発生しています。
 また、継続時間の短い火山性微動が発生しました。
 
 3月16日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  3月16日        194回     4回     0回
    17日         25回     2回     0回
    18日         12回     0回     0回
    19日15時まで    64回     0回     0回
 
 新燃岳では、活発な火山活動が継続していることから、今後の火山情報に
注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損の
可能性がありますので注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。