火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第42号 平成30年3月15日16時30分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。新燃岳火口から概ね3km の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石、及び新燃岳火口 から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。 昨日(14日)15時から本日(15日)15時までに噴火が3回発生し 、このうち1回が爆発的噴火でした。15日14時13分の爆発的噴火では 、灰白色の噴煙が火口縁上2100mまで上がり、雲に入りました。この噴 火に伴い、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口の中心から1000mま で飛散しました。 溶岩の噴出は9日頃には概ね停止したとみられていますが、北西側火口縁 を越えて外側斜面をわずかに下っています。本日10時頃に霧島市牧園町か ら実施した観測では、昨日10時頃に比べ、約4m流下しており、観測を開 始した9日18時頃に比べ、約42m流下しているのを確認しました。 本日実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あた り600トン(前回13日、800トン)と同程度でした。 高千穂河原観測点の傾斜計では、噴火に伴い山体がわずかに隆起沈降する 変動が観測されています。 火山性地震は多い状態が続いていますが、浅い所を震源とする低周波地震 は次第に減少しています。 火山性微動は時々発生しています。 3月11日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ ります。 火山性地震 火山性微動 爆発的噴火 3月11日 166回 3回 2回 12日 219回 5回 3回 13日 205回 6回 0回 14日 213回 6回 0回 15日15時まで 128回 2回 1回 新燃岳では、活発な火山活動が継続していることから、今後の火山情報に 注意してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概 ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範 囲では警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る おそれがあるため注意してください。 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損の 可能性がありますので注意してください。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が、非常に多い状態となることもあり、 風下側では流下する火山ガスに注意するとともに、地元自治体等が発表する 火山ガスの情報にも留意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり ますので留意してください。 また、地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、16日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。