火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第34号
平成30年3月9日12時05分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳の北西側へ流出する溶岩流を観測しました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 産業技術総合研究所により、新燃岳では、本日(9日)10時10分頃に
火口の北西側へ流出する溶岩流が確認されました。

 本日11時頃、霧島市牧園町から気象台が実施した現地調査では、新燃岳
火口の北西側から溶岩がわずかに流出し、ゆっくり流下しているのを確認し
ました。また、溶岩から白色の噴煙が上がり南へ流れていました。この溶岩
流に伴う火砕流は観測されていません。

 新燃岳では、活発な火山活動が継続していることから、今後の火山情報に
注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損の
可能性がありますので注意してください。
 また、降灰が続いていることから降雨時の土石流にも注意してください。
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が、非常に多い状態となっていることか
ら、風下側では流下する火山ガスに注意するとともに、地元自治体等が発表
する火山ガスの情報にも留意してください。