火山名 草津白根山 火山の状況に関する解説情報 第40号 平成30年2月14日18時00分 気象庁地震火山部 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 本日(14日)、第140回火山噴火予知連絡会が開催され、草津白根山 の火山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 草津白根山の本白根山では、1月23日10時02分頃に噴火が発生しま した。噴火した場所は、鏡池北火口北側の火口列と西側の火口及び鏡池火口 底の火口列と推定されます。 噴火に伴う噴出物量は、火山灰の堆積量の調査から3万から5万トンと推 定されます。 その後は噴火はなく、火口からごく弱い噴気が時折確認されています。 この噴火の前後で、振幅の大きな火山性微動が09時59分から約8分間 観測され、傾斜計では10時00分から約2分間で本白根山の北側付近が隆 起し、その直後の数分間で沈降する変化が観測されました。また近傍のGN SS観測点でも、噴火に伴い新たな火口から遠ざかる動きが観測されました 。ただし、GNSS観測では、噴火に伴う変化以外、マグマの動きを示す特 段の変化は観測されていません。 火山性地震は噴火の後に多数発生し、翌日以降に減少しましたが、その後 も少ないながら噴火前よりやや多い状態が続いており、火口近傍の観測点で は微小な地震が観測されています。わずかな傾斜変動を伴う振幅の小さな火 山性微動は、翌日以降25日までみられました。 草津白根山の本白根山では、現時点ではマグマ噴火に移行する兆候は認め られませんが、当面は1月23日と同様な噴火が発生する可能性は否定でき ません。 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側 では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください 。 今後の本白根山の火山活動をより詳細に把握するための、更なる観測体制 の強化について、検討する必要があります。 2.防災上の警戒事項等 本白根山鏡池付近から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛 散する大きな噴石に警戒してください。 噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降る ため注意してください。 引き続き、白根山湯釜火口から概ね500mの範囲ではごく小規模な火山 灰等の噴出に注意してください。