火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第7号
平成30年1月19日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 1月17日から1月19日15時までの霧島山(新燃岳)の活動状況をお
知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 
 噴煙は白色で、火口縁上50mまで上がりました。
 
 新燃岳火口付近を震源とする火山性地震は、16日に356回と増加しま
したが、17日以降、1日あたり50回以下に減少しています。振幅の小さ
な火山性微動が17日に1回観測されました。

 18日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり60トン(前回2017年12月21日、80トン)でした。また、
新燃岳西側斜面の割れ目付近及び割れ目下方の噴気の状態や熱異常域の分布
に、前回(1月15日)と比べて特段の変化は認められませんでした。
 
 1月17日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
               火山性地震    火山性微動
   1月17日         49回       1回
     18日         11回       0回
     19日15時まで     4回       0回

 傾斜計では、新燃岳の山体膨張を示す特段の変化は認められません。GN
SS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線の伸びが継続し
ています。このことから、霧島山の深い場所でマグマの蓄積が続いていると
考えられますので、火山活動に注意が必要です。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね2kmまで、火砕流が概
ね1kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね2kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損や降雨時の土石
流にも注意してください。
 地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。 

 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。