火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第102号 平成29年12月15日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 12月11日から12月15日15時までの口永良部島の活動状況をお知 らせします。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 火山性地震は、12月4日以降、概ね少ない状態で経過していましたが、 12月12日以降は概ねやや多い状態で経過しています。火山性微動は観測 されていません。 12月11日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地 震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 12月11日 2回 12日 7回 13日 4回 14日 7回 15日15時まで 0回 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上200mまで上がりました。 14日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では 、新岳火口内の状況は噴煙により確認できませんでしたが、2016年5月 31日の観測と比較して、火口周辺の状況に特段の変化は認められませんで した。 13日及び14日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、 屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 は、1日あたり200トンから500トン(前回9日、400トン)と20 17年4月以降わずかに増加した状態です。 傾斜計による観測では、特段の変化は認められませんでした。GNSS連 続観測では、新岳山麓の基線で火山活動によると考えられる特段の変化は認 められませんでした。 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、火 山性地震が増減を繰り返していること、噴煙量や火山ガス(二酸化硫黄)の 放出量は、2014年8月の噴火前よりもやや多い状態で経過していること から、引き続き噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。