火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第97号 平成29年12月1日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 11月27日から12月1日15時までの口永良部島の活動状況をお知ら せします。口永良部島では、火山性地震が増加し火山活動がやや高まってい ます。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 火山性地震は、11月以降概ね多い状態が継続しており、11月27日及 び28日には1日あたり50回を超えました。これらの火山性地震は、新岳 火口直下のごく浅い場所で発生していると考えられます。口永良部島で地震 回数が50回を超えたのは、噴火が発生した2015年5月29日の293 回以来です。29日以降、火山性地震は減少していますが、火山活動はやや 高まった状態であると考えられます。 火山性微動は観測されていません。 11月27日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地 震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 11月27日 64回 28日 61回 29日 7回 30日 15回 12月 1日15時まで 2回 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町、及び気象 庁が11月30日に実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は 、1日あたり300トン(前回11月27日、200トン)と2017年4 月以降わずかに増加した状態です。 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上300mまで上がりました。 傾斜計及びGNSS連続観測では、特段の変化は認められません。 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、火 山性地震が概ね多い状態で経過していること、噴煙量や火山ガス(二酸化硫 黄)の放出量は、2014年8月の噴火前よりもやや多い状態で経過してい ることから、引き続き噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。