火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第92号
平成29年11月13日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 11月10日から11月13日15時までの桜島の活動状況をお知らせし
ます。昭和火口及び南岳山頂火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や
小規模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、本日(13日)、ごく小規模な噴火が発生しました。
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、7日頃から山体の隆起・膨張
を示すと考えられる変化が継続していましたが、11日頃からわずかに沈降
・収縮を示すと考えられる変化がみられています。
 
 10日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり400トン(前回10月30日、800トン)とやや少ない状態でし
た。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。
 11月10日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下の
とおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することが
あります。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  11月10日         2回     0回     0回
     11日         3回     0回     0回
     12日         0回     0回     0回
     13日15時まで    0回     0回     0回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続しており
、今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、17日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。