火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第85号
平成29年10月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 10月23日から10月27日15時までの口永良部島の活動状況をお知
らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震は少ない状態で経過しています。
 火山性微動は観測されていません。

 10月24日と25日に実施した現地調査では、前回(9月13日)と比
べて噴煙及び熱異常域の状況に変化は認められませんでした。

 10月23日以降の火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地
震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

  10月23日       1回
     24日       2回
     25日       3回
     26日       1回
     27日15時まで  5回

 23日から25日にかけて、東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災
研究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)
の放出量は、1日あたり200トン(前回10月13日、400トン)と2
017年4月以降わずかに増加した状態です。

 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上100mまで上がりました。

 GNSS連続観測では、火口を挟む基線で収縮が認められています。

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、噴
煙量や火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は2014年8月の噴火前よりもや
や多い状態で経過していることから、引き続き噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。