火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第60号 平成29年10月20日16時25分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 10月16日から10月20日15時までの霧島山(えびの高原(硫黄山 )周辺)の活動状況をお知らせします。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 えびの高原(硫黄山)周辺では、火山性地震は少ない状態で経過していま すが、火山ガスや熱水が関与していると考えられる浅い低周波地震が時々観 測されています。火山性微動は観測されていません。 監視カメラによる観測では、噴気が17日及び20日に稜線上100mま で上がりました。 えびの高原(硫黄山)周辺では、2015年12月頃に出現した熱異常域 が次第に拡大し、噴気の量が増加しています。 GNSS連続観測によると、7月頃から霧島山を挟む基線で伸びの傾向が みられており、霧島山の深い場所で膨張している可能性があります。 10月16日からの火山性地震の発生回数は以下のとおりです。なお、回 数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 10月16日 0回 17日 1回 18日 1回 19日 1回 20日15時まで 3回 また、えびの岳付近(硫黄山の南西3km付近)の地震は、今期間も時々 発生しています。この付近は、2011年の新燃岳の噴火でマグマを供給し たと推定される領域です。 えびの高原(硫黄山)周辺では、火山活動が高まっており、小規模な噴火 が発生するおそれがあります。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を 受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。