火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第22号
平成29年10月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、活発な火山活動が続いています。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、14日15時05分から継続していた連続噴火は、本日(1
7日)00時30分頃に停止したもようです。その後、噴火は観測されてい
ませんが、活発な火山活動が続いています。

 監視カメラによる観測では、天候不良のため噴煙の状況は確認できません
。

 新燃岳付近の火山性地震は、昨日(16日)に324回と多い状態となり
ました。本日は15時までに22回発生しました。
 火山性微動は、11日17時16分から16日18時55分頃まで継続し
、その後も時々発生しています。
  
 地殻変動観測では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められま
せん。

 また、えびの岳付近(硫黄山の南西3km付近)の地震は、15日以降、
観測されていません。この付近は、2011年の新燃岳の噴火でマグマを供
給したと推定される領域です。

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石や火砕流に警戒してください。
 噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 風下側では、火山ガスにも注意してください。また、地元自治体等が発表
している火山ガスの情報にも留意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。
 
 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、噴煙が火口縁上2000m以上に上がった場合や、火山活動の状況
に変化があった場合には、随時お知らせします。