火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第39号
平成29年5月12日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 5月8日から5月12日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 昭和火口では、12日13時12分に爆発的噴火が発生しました。噴煙の
高さは火口縁上700mまで上がり雲に入りました。噴石は不明でした。

 南岳山頂火口では、噴火は観測されていません。

 8日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1700トン(前回4月28日300トン)と増加しました。1日あた
りの放出量で1000トンを超える火山ガス(二酸化硫黄)を観測したのは
、2015年6月23日以来です。

 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動を観測
しています。

 5月8日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。

              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   5月 8日         0回     0回     0回
      9日         1回     2回     0回
     10日         4回     4回     0回
     11日         2回     2回     0回
     12日15時まで    4回     2回     1回

 姶良カルデラの地下深部の膨張が継続していることから、今後も噴火活動
が継続すると考えられます。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、15日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>