火山名 草津白根山 火山の状況に関する解説情報 第5号
平成29年2月3日16時00分 気象庁地震火山部

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 1月27日から2月3日15時までの草津白根山の活動状況をお知らせし
ます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 湯釜火口及び水釜火口周辺の熱活動の高まった状態が継続しています。監
視カメラによる観測では、引き続き湯釜北側噴気地帯の噴気孔から噴気が認
められています。1日に陸上自衛隊の協力により実施した上空からの観測で
は、前回の観測(2016年5月)と比べ、湯釜火口壁北側、水釜火口の北
から北東側の斜面の状況に特段の変化はなく、引き続き地熱域が認められま
した。

 全磁力観測によると、2014年5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇を示
唆する変化は、2014年7月に停滞したものの、温度低下を示唆する変化
には転じていません。
 また、東京工業大学によると、2014年以降、火山ガス成分や湯釜湖水
の化学組成は、活発化を示す状態が確認されています。
 なお、東京工業大学のカメラ(湯釜火口内)では、火口内に特段の変化は
認められません。火山性地震は少なく、地殻変動観測に特段の変化は認めら
れません。

 火山性地震の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです。
             火山性地震
  1月 27日         1回
     28日         1回
     29日         1回
     30日         1回
     31日         2回
  2月  1日         0回
      2日         1回
      3日(15時まで)  0回

2.防災上の警戒事項等
 湯釜火口から概ね1キロメートルの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従っ
て危険な地域には立ち入らないでください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 また、ところどころで火山ガスの噴出が見られます。周辺のくぼ地や谷地
形などでは高濃度の火山ガスが滞留する事がありますので、注意してくださ
い。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>